2007年08月29日

受け入れ難航、妊婦搬送の救急車事故で流産

今日のニュースです。

どの記事も昨年の分娩中に意識不明になって亡くなった妊婦さんと記事を絡めて書いてあり、私自身も同じ不幸が繰り返されたのか…と嫌な気持ちになりました。
気になる話題だったので、いくつかのニュースを読み比べてみました。
記事によってすこしずつニュアンスが違うので、どれが真実なのか判断しかねるところはありますが、昨年の事故と同じ土俵で議論するべきではないような気がしています…。

今回の当事者である女性にとっては、ものすごく残念なことだったと思うし、
早く体調が戻るようお祈りしています…。

が、なにも妊婦が夜中の2時にスーパーで買い物しなくてもいいじゃないか…と
思うのも本音なのです。
それぞれの生活スタイルがあるので止むを得ない外出だったのかもしれませんが、
なにより問題なのは女性がかかりつけ医がいないことです。
しかも流産経験あり&36歳で若くない… なぜ病院にかかってない??
かかりつけ医さえあれば、早々に診察を受けることは出来たでしょう。
女性の妊娠週数は記事によって3ヶ月とも20週とも書かれています。
結局のところ本人にも分からないんでしょう。
それが前者だとしたら自然淘汰(残念ですが…)とも言える時期の流産で
阻止する手段はありません。
が、それが後者だと分かった上で搬送先を探していたら、
また状況も変わったかもしれません。

奈良県の周産期母子医療の体制に問題があるのは事実です。
これからきちんと整備していかなくてはいけない問題ですが、
それを上手に運用するためには妊婦自身も出来ることがあるはずです。


夕方のニュースでは、やはり受け入れを拒否した奈良県立医科大病院を中心に
批判されています。
女性にかかりつけ医がないことについては、一切触れられていません。
その情報を視聴者に知らせずに、奈良県立病院ばかりを批判するのは
フェアな報道とは思えません。
ほかの方のblogもいろいろ拝見しましたが、この女性の非について
指摘している方はあまりいらっしゃいませんでした。

私は医療関係者でもなんでもなく、ただの元妊婦なので、難しいことはわかりません。
がこの女性が病院に運ばれたとして、そもそも妊娠してるのか?から
検査しなければいけません。
血液型は?感染症(肝炎とかHIVとか…)は?
そういう作業は、夜中の救急病院にとっては想定外だと思います。
想定内の患者さんを受け入れるのとは、事情が違うように思います。
責任を持った対応ができないから…と受け入れを断る背景には、
こういう事情もあったのではないでしょうか?

奈良県の周産期母子医療の体制に問題があるのは事実です。
これからきちんと整備していかなくてはいけない問題です。
<救急車事故>搬送中の妊婦流産 大阪
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070829-00000041-mai-soci
 29日午前5時10分ごろ、大阪府高槻市富田丘町の国道171号交差点で、妊娠中の奈良県橿原市の女性(36)を搬送中の救急車と軽乗用車が出合い頭に接触した。搬送先の高槻市の病院で、胎児の死亡が確認された。女性は119番から車中で約1時間半も受け入れ先が決まらず、橿原市から約41キロも離れた高槻市の病院へ運ばれる途中だった。昨年8月には、奈良県の妊婦が転送先が見つからずに容体を悪化させて死亡しており、救急体制の不備が浮き彫りになった。
 府警高槻署の調べでは、軽乗用車は大阪府茨木市の自営業の男性(51)が運転。他にけが人はなかった。同署は、事故と流産の関連を捜査している。
 女性は同日午前2時44分ごろ、橿原市内のスーパーマーケットで買い物中、「下腹部が痛い」と訴え、同居の男性を介して119番通報した。奈良県の橿原消防署(中和広域消防組合)の救急隊員は同県立医科大に受け入れを要請したが、「手術中のため不可能」と回答された。このため、同消防署は大阪府内の産婦人科などに要請したがいずれも「処置中」などを理由に断られ、10施設目(連絡は延べ12回目)の高槻市の病院に決まったのは同4時19分だった。かかりつけの医者はいなかったらしい。
 高槻市消防本部によると、女性は妊娠20週目だったとみられるという。
 橿原消防署などによると、女性は搬送中の午前5時ごろ、救急車内で破水を起し、その約10分後に事故に巻き込まれた。病院に着いたのは、通報から約3時間後の同5時46分だった。
 同消防署予防課は「事故による容体の変化は見られなかった。流産との関連は警察の捜査に委ねたい」と話している。
 昨年8月には、奈良県の大淀町立大淀病院で、分娩(ぶんべん)中に意識不明になった妊婦が転送を同県と大阪府内の19病院に断られた末、約60キロ離れた国立循環器病センター(大阪府吹田市)に運ばれ、約1週間後に死亡した。これを受け、国は今年度中に、総合周産期母子医療センターを整備することとしていたが、奈良県など4県で困難な状況に陥っている。
 奈良県では、緊急に高度な治療を要する妊婦を県外の病院に転送する比率が、04年で約37%に上り、全国最悪のレベルだった。母体・胎児の集中治療管理室(MFICU)を備えている病院も、県立医科大学付属病院(橿原市)と県立奈良病院(奈良市)の2カ所だけ。
 奈良県は未整備だった「総合周産期母子医療センター」を来年5月に設置。母体や新生児の救急搬送に対応する予定だった。


受け入れ難航、妊婦搬送の救急車事故で流産
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070829-00000915-san-soci
29日午前5時10分ごろ、大阪府高槻市富田丘町の国道171号交差点で、奈良県橿原市の妊娠3カ月の女性(36)を搬送中だった中和広域消防組合(橿原市)の救急車と、大阪府茨木市の宅配業の男性(51)運転の軽ワゴン車が衝突。女性は高槻市消防本部の救急車で約40分後、約4キロ離れた同市内の高槻病院に到着したが、流産が確認された。女性らにけがはなかった。事故と流産の因果関係は不明だという。
 女性は事故の約2時間半前の同日午前2時40分ごろに橿原市内で腹痛と出血を訴えて119番通報したが、受け入れ可能な病院が見つからず、そのまま救急車内で待機。10病院、延べ12番目に問い合わせに応じた高槻病院へ向けて出発するまで約1時間半かかっていた。通報現場から病院までは直線距離で約40キロ離れていた。
 奈良県では昨年8月、分娩(ぶんべん)中に意識不明になった高崎実香さん=当時(32)=が19病院から転院を断られた末に死亡しており、産科医療のあり方が改めて問われそうだ。
 高槻署や中和広域消防組合などによると、女性は知人男性とともに近所のスーパーで買い物をしている最中に突然、腹痛を訴え出血。同日午前2時44分、知人男性が「過去に流産している。今も妊娠しているが、切迫流産しているかもしれない」と119番した。
 女性にかかりつけの医師はなく、通報を受けた同組合が県内の空きベッド情報を確認したところ、県立医大病院(橿原市)にベッドがあったものの「手術中で対応できない」と断られたという。
 消防組合は大阪府内の病院に受け入れ要請を続けたが、難航。10病院、延べ12番目に問い合わせに答えた高槻病院に搬送することが決まった。その間、救急車はスーパーで待機。出発できたのは午前4時19分だった。
 高槻署によると、救急車は赤色灯をつけて直進、青信号で進入した軽ワゴン車と接触したという。救急隊員3人と軽ワゴン車の運転手にけがはなかった。
 妊婦の救急搬送をめぐっては、近畿2府4県と福井、三重、徳島の知事でつくる近畿ブロック知事会議が、各府県が協力して出産前後の妊婦の搬送や受け入れ体制を確保することで合意している。


妊婦乗せた救急車事故=奈良から搬送中、流産−受け入れ先探し1時間半・大阪
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070829-00000066-jij-soci

<救急車事故>搬送中の妊婦流産 大阪
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070829-00000041-mai-soci

妊婦搬送中事故、流産 車内で腹痛に耐える女性
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070829-00000929-san-soci




posted by kanakanapooh at 16:26 | Comment(12) | TrackBack(1) | 橿原 妊婦搬送難航事故
この記事へのコメント
奈良は産科が崩壊してます。どうしてかというと、

受け入れ拒否した病院は無罪
受け入れた病院は業務上過失致死で書類送検され損害賠償請求される
徹夜で受け入れ先を探した病院は業務上過失致死で書類送検され損害賠償請求される

以上の結果がこういう状況に拍車をかけるわけです。自業自得ですが、こんなことをしたバカに巻き込まれる庶民は迷惑です。
Posted by 次郎 at 2007年08月29日 18:22
>次郎さん
コメントありがとうございます。
今回のことと昨年の事故は、まったく別の次元の話ですよね。

全うな医者が報われ、全うな患者が救わるようなシステムであって欲しいと常々思っています。
そうでない医者と患者にそれなりの結果がついてくるのは
止むを得ないことだと思います。
Posted by kanakanapooh at 2007年08月29日 21:52
同感です。
この報道があって???と思ったのは私だけ??みたいな
この件に関して 病院側ばかり指摘されていますよね
不思議に思いました。

私も妊娠初期での流産経験者です。
流産した年齢38歳 
夕方に腹痛があり 土曜日なので病院は空いてなく
夜に出血と腹痛がひどくなったのでかかりつけの病院へ
主人が不在の為 一人で車を運転して行きました。

腹痛もかなりありましたが 119を呼ぶほどでもなかったです。

結果として流産してしまったことは残念ですが
かかりつけがない=妊娠していることに気がついてたの?
ついてないの??

妊娠してるとわかった上で、深夜にスーパー
かかりつけの病院もないのだとしたら
本人にも責任はあるはずです。

大淀の例とはまったくもって、違う話
同じ レベルの話にしてもらっては・・・という感じですね




Posted by 月 at 2007年08月30日 14:30
>月さん
コメントありがとうございました。

妊娠しているのには、気づいていたみたいですね。
今日になって妊娠7ヶ月だったなんていう記事も出てきていますし…

妊娠経験者の方は、彼女にも落度があることにすぐ気づきますよね。
私自身も妊娠中に出血して病院に駆け込んだことがあるのですが、
時間外でも診てもらえましたよ。
妊娠→出産を通してすごく頑張っている産婦人科の医師&スタッフの方をみているので、
無意味に病院を批判するのはいかがなものか…と思うわけです。

大淀の事故については、病院についていろいろ思うところもありますが、
今回の事故に関しては、マスコミの報道の仕方は公平じゃないですよね。
Posted by kanakanapooh at 2007年08月30日 16:54
はじめまして。
同じような感想を持つ方を探して、こちらへたどり着きました。

現在妊娠中です。
私もこのニュースを聞いた瞬間に、「深夜に妊婦が何やってるんだ!!」とまず思いました。

妊婦というのは、お腹の中に一つの命を抱えているものなのです。
その自覚が、果たしてこの女性にあったのでしょうか?
こんな命を大切にしない母親だったから、赤ちゃんが逃げてしまった―そんな風にさえ思えます。

この女性にも、仕事の都合等で深夜に買い物をしなければならない事情があったのかもしれません。
それならそうと、妊娠が分かった時点で、そのような生活を改めるようにできなかったのでしょうか。
かかりつけ医のことといい、子どもの命を真剣に考えれば、何らかの手を打てたはずです。
(仮に経済的事情等で、生活の改善も医者にかかることも困難だったとしたら、今の日本は相当問題アリですが…)

最近の社会は、全体的に生命を軽んじすぎです。

それと、何か一つのもの(主に力を持っている官公庁や企業等。今回は病院)に対して、一元的に責任を押し付けすぎです。
こんなことでは、個人の責任を果たさない人が、どんどん出てきます。
Posted by 幸 at 2007年08月30日 19:16
>幸さん
コメントありがとうございます。

極端なことを言うと、深夜にスーパーにいたことが流産の直接的な原因では
ないだろうし、かかりつけ医があっても助からなかったかもしれませんが、
この女性の無自覚さに呆れるし、腹が立ちますね。

幸さん妊娠中とのこと。ベビーちゃんとの対面たのしみですね♪
ご安産お祈りしています。
Posted by kanakanapooh at 2007年08月30日 21:19
毎日新聞を始め、マスコミが偏見報道をするから、奈良の産婦人科医が減った。
という側面も報道して欲しかったですね、是非。

ベッドが空いていても、医者がいなければ、治療はできないし。
その事で、搬送依頼を拒否したこと自体は、全く責められるべきところではないと思います。

妊婦の自己責任もあると思います。
妊娠7ヶ月になって、かかりつけ医がいない、というのは問題があると思います。
Posted by Dr. I at 2007年08月30日 21:27
>Dr. I さま
コメントありがとうございます。

今回の事故は、かかりつけ医からの転送という定型的なルートであれば
もっとスムーズ搬送されていたように思います。
そう考えると、この事故を奈良の産婦人科医減少に結びつけるのも
マスコミ並に強引かなーと思います。
※もちろん奈良県の周産期母子医療の体制に問題があるのは事実です。

今回の事故と大淀の事故と結びつけることも、マスコミ(特にテレビ)の
意図を感じます。
今回の事故は事実のみを淡々と伝えるべきではないかと思います。
(わざわざ報道する必要があるのか?とも思えますし…)
Posted by kanakanapooh at 2007年08月30日 22:36
こんにちは。yahooから来ました。

私も現在妊娠中です。
元医療従事者で、家族も医療従事者です。

私もみなさんの意見とほぼ一緒です。
今回の報道はフェアではありません。

私も、現在、妊娠7ヶ月ですが、高齢です。
自分がいつどこで何が起こってもマズくないように行動をしています。それが自分の責任だと思います。

私の掛かりつけの病院は、緊急事態であれば、24時間診察可能です。
ただし「定期的に診察をしていて、分娩予約をしている患者であれば」です。

飛び込みで出産&処置なんてどこの病院も受けたがらないのは当たり前です。そのそも出産自体が何が起こるかわからないのリスクが大きいのですから。

「万が一のために」そう考えることも母親の責任ですし、それを行い胎児を守ることは、本人がまずもって行うべきことだと思います。

この患者さんは気の毒ではありますが「病院」と「医療従事者」のみが叩かれるのは、納得がいきませんネ。
Posted by こっこ at 2007年09月01日 13:35
はじめまして
私もどのブログの感想を読んでも病院の批判ばかりが目立っていたので同じような意見を持つ方がいらしたので書き込みさせていただきました。

私は産婦人科に勤務しています、小規模な病院ですのであまり参考にはならないかもしれませんが、正直病院側から言わせて頂くと
「受け入れたくない」
の一言に尽きます。

まず今回の妊婦さんは妊娠中という自覚が足りない、そんな時期まで病院にかかっていない状態でもちろん検査も何もしていない

そんな何も状況が分からない妊婦を受け入れる病院はまず無いと思います。
大淀の事故と引き合いに出すのもどうかと思いますし
Posted by 綾那 at 2007年09月01日 18:43
>こっこさん

私には10ヶ月になる娘がいます。
母性本能ムンムンのこの時期なだけに、余計にこの女性の自覚のなさが
悲しいやら腹立たしいやら…なんとも言えない気持です。

妊娠7ヶ月とのこと、冬がはじまる頃にはベビーちゃんとご対面ですね♪
ご安産をお祈りしています。
Posted by kanakanapooh at 2007年09月01日 19:36
>綾那さん

産婦人科勤務とのこと。
本当に大変なお仕事だと思いますが、ステキなお仕事です。
(わたしがあと10歳若かったら、助産師になりたいです。)
頑張ってくださいね。

妊娠中という事実以外はなにも分からない…なんて妊婦さんは
受け入れる側にしてみれば、恐怖ですよね…。
Posted by kanakanapooh at 2007年09月01日 19:51
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